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​クオリアグローバルマネジメント株式会社

​Qualia Global Management Inc.

チェルシー世代の動揺

皆さんもニュースで目にした情報だと思いますが、大手食品メーカーの「明治」は、1971年に販売開始したキャンディー「チェルシー」の販売を終了することを決めました。 ほとんどの方が一度はチェルシーを食べた事があると思いますが、チェルシーと言えば黒地にピンクのパッケージの『バタースカッチ』が何とも言えない味ですよね。 「チェルシー」はスコットランドの伝統のお菓子を参考に開発されたキャンディーで、「バタースカッチ」と「ヨーグルトスカッチ」の2種類の味で1971年に販売を開始 その後、味の種類は増えて2002年度には約25億円を売り上げていたそうです。

引用:https://www.meiji.co.jp/sweets/candy_gum/chelsea/products/

しかしながら市場環境や顧客ニーズの変化で、2022年度の売上は約5億円と5分の1にまで落ち込んでいたということです。 このため、収益性の低下を理由に在庫がなくなり次第、令和6年3月中にも販売を終了することを決めたそうです。

先にもあげたようにチェルシーが販売終了となることが明らかになり、チェルシー世代?である消費者の動揺が広がっているようです。 約50年以上も愛されてきた長寿商品で「あなたにもチェルシーあげたい」のテレビCMでも親しまれていたことから、「突然のお別れ」となったことにネット上では嘆きとも言える声が飛び交ったのです。

チェルシー終了については、収益性の悪化を挙げているのですが、実際、ネット上の情報では店頭取り扱い数が減って、さらに売上減少に繋がっているのではないでしょうか。

そんなチェルシーが販売終了を公表してから1ヶ月を切った頃には、早くも店頭では品薄になっていたようで、私も店頭を覗いて見ましたが、飴コーナーのチェルシーだけなぜか売り切れ状態… そして「メルカリ」などのフリマアプリで高額転売されるなど、ある種の社会現象になりつつあるのです。

過去にこのチェルシー販売終了と同じく衝撃だったのは、「ヤマザキナビスコ」の『オレオ』と『リッツ』です。 子供心に何だか優雅で贅沢なこの2品でしたが、ライセンス契約終了で日本にオレオが入らないかも!?みたいな事件でした。 結果、山崎製パン(株)傘下のヤマザキ・ナビスコがライセンス契約終了に伴い社名変更して、現在はノアールという商品で存続していますね。

こんなノリでチェルシーが残ってくれるとよいのですが、宣伝戦略としても、落ち目商品より売れ筋や新商品をアピールした方が効果的というのもよく分かる話です。 結果として、消費者は販売終了を決定事項として知り、もっと早く教えてくれれば…というように思う訳ですが、終わり際に惜しんで買う程に長い間気にもとめない商品になっていたのも事実ですね。 私も衝撃とショックを受けながらも、まともに買ったのは何十年前かという感じです。ロングセラーの販売は、それだけ難しいものなのだろうと考えさせられますね。

『カール』のように、西日本では販売的に収益確保ができるとして『販売地域限定商品』のような変更対応が今回のチェルシーにも採用されるとよいのですが、経営的な観点では『長い歴史』や『思い』だけでは存続させられない、という判断も重要な事ですね。

______________________ 経営コンサルタント 渡邉拓久

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