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​クオリアグローバルマネジメント株式会社

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キンキュバ

皆さんはKINCUBA(キンキュバ)を知っていますか? 「KINCUBA(キンキュバ)」とは、“KINDAI”と“INCUBATION”を組み合わせた造語で、近畿大学における学生起業家のための育成プログラムのことです。

ご存知の方も多いと思いますが、近畿大学と言えば何かと面白い取り組みをする大学ですね。 以前このコラムでも取り上げましたが、世界で初めて完全養殖に成功した「近大マグロ」が特に有名です。 まさにこの近大マグロが他大学に先駆けて『大学発スタートアップ』の成功例を生み出したと言えます。 しかしながらその後は起業数が伸び悩んだそうで、2022年度に50社(東京大学371社、大阪大学191社、立命館大学110社)と他大学から大きく後れをとっていたようです。(経済産業省調査) ちなみに『スタートアップ』自体は日本政府も推奨する取り組みであり、岸田政権が旗を振る「スタートアップ育成5カ年計画」では2027年までにスタートアップ10万社の創出という目標を掲げています。その達成に向けて大きな起爆剤的な役割を担うのがこの大学発スタートアップでしょう。2022年度の大学発スタートアップ数は前年比477社増の3,782社と、過去最多の増加数を記録しているようです。(経済産業省調査)


学校法人近畿大学KINCUBA公式サイトより

近畿大学は、2022年にスタートアップ創出拠点の「KINCUBA Basecamp(キンキュバベースキャンプ)」を開設。 施設は月額500円で24時間利用が可能らしく、打ち合わせスペース、食品系の商品開発にも使えるオープンキッチンや、イベントスペースも備えているそうです。 法人登記をする際には同施設の住所を使うこともできるようで、コワーキングスペースより整った環境ですよね。 学生向けのイベントを週に何回も開催しているようで、堀江貴文さんを招いて事業計画を学生が披露する会もあったそうです。そこから得られるアドバイスは学生もテンションが上がりますよね。 2023年の起業は加速しているそうで、スイーツやラーメンの販売、昆虫食普及イベントの運営など業態は多様だそうです。 他大学では研究室での研究成果を基に教員などが起業するケースが多いようで、学生発の起業が中心の近畿大学は真の大学発スタートアップですよね。 近畿大学の狙いは、受験生などへの「大学発スタートアップと言えば近畿大学」というブランドイメージの浸透を図りたい想いも大いにありそうです。 学生も、これまでは同志社大学や立命館大学を目指していたけど『起業するなら近大』という情報に惹かれて、近大を選んだというケースが増えているようです。 実際、卒業までに起業してもしなくてもいいし、起業せずに就職したり大学院に行ってもいいわけですが、キンキュバで学んだことは就職活動時のアピールポイントにもなり、更には就職した後でも役立つわけです。 就職面接で、学生時代に注力してきたことの質問に対して『学生起業しました』『起業に向けて財務や事業立案を勉強しました』と答えられる学生は、他の学生と大きな差をつけられるわけですよね。 大学のオープンキャンパスでは起業した学生の紹介や起業の相談会も実施したり、キンキュバベースキャンプの見学会や学生による事業アイデア発表会も開催したりしているそうです。こうしたプログラムやイベントを通して「起業=近大」というイメージが定着しつつあるのです。 さらに踏み込んだ取り組みが、2023年に開講したばかりの起業家を育成する修士課程「実学社会起業イノベーション学位プログラム」というもの。 財務などの基礎知識の習得に加え、起業家やVC(ベンチャーキャピタル)との対話、スタートアップでのインターンシップを通して、2年間で自身の事業計画を試行錯誤しながら磨き上げていく。最終年度には修士論文ではなく、ビジネスプランを提出。 これが「特定の課題についての研究成果」として評価されるのです。実践的でとても学び甲斐がありそうですよね。私も大学院時代にこんな環境だったら、もっと違った発想や道を歩んでいたのかもしれないです・・・笑 弊社も今年、名古屋造形大学さんと産学連携プロジェクトをスタートさせましたが、学生の柔軟な発想にはとても大きな可能性を感じています。学生だからこそできる挑戦もありますよね! 近畿大学は創立100周年を迎える2025年度までに、同大学発のスタートアップを100社創出する目標を掲げているようです。 近畿大学の学生にとって「起業」は、就職に並ぶ選択肢となりつつあるわけです。 近畿大学の今後の展開が楽しみです。

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